最近は、大手術でも入院期間は短くなっており体調が悪くなければ、退院を勧められます。
え、こんなにキズが残っているのに、退院するの??と不安に思う方もいらっしゃるかと思います。
退院したばかりで家でのキズ処置が不安な方や、糖尿病でキズの治りが遅く心配なご家族に向けて、事例を紹介しながら、現役の訪問看護師である私の視点から、在宅での注意点などについてご紹介していきたいと思います。
心臓バイパス手術後
⚠️ 【画像注意】この先、手術直後の傷口の写真が含まれます。苦手な方はご注意ください。
既往に糖尿病がある 72歳 Tさん 女性
心臓の血管が3か所 狭くなっており、心臓血管外科でバイパス手術を受けられました。
手術後、体調は安定していたため、キズは治っていませんでしたが早期退院をすすめられ、キズの処置は訪問看護師がお手伝いすることになりました。
糖尿病は、簡単に言うと、血中や体中の糖の量が多いため甘いんですね。
だからバイ菌が集まりやすく、化膿しやすいのです。
そのため、キズがなかなか治らないことはよくあります。

退院日のキズの様子です。
傷口は白くなっており、膿や浸出液(しんしゅつえき)のようなものが出ています。また、周りは赤くなっており炎症が見られます。手術の傷から出る浸出液はいつまで続くの?と不安になりますが、大丈夫です。きちんとした消毒と血糖値管理ができていれば、人間の治癒力は本当にすごいのです。
写真の通り、Tさんのこのままの状態では、キズ口が開いてしまう可能性が高く放っておくことは出来ません。
ここから毎日、シャワー浴のあとに消毒の日々が始まりました。
どんなに疲れていても、雨の日も嵐の日も、毎日必ず行います。
イソジンシュガーという塗り薬を塗り、ガーゼをはります。
テープにかぶれる方もいらっしゃいますので、医療用のおすすめテープのリンクを貼っておきます。
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一番の注意事項は、バイ菌を増やさないこと!
そのためには、毎日の消毒と血糖値管理が大切になります。
血糖値管理の重要性
Tさんは、インスリン注射はせず、糖尿病の飲み薬だけ飲んでいました。

2週間後の写真です
まだ、キズ口は汚く、浸出液もあり周囲も赤く炎症を起こしています。
2週間もたてば治っても良さそうなものですが、糖尿病の方は、どうしてもキズの治りが悪いです。
たとえ、消毒を続けても血糖値が高ければ、バイ菌が集まってしまうので、食べるものには注意が必要です。
とはいえ、毎日の食事で糖質を抑えつつ、十分なタンパク質を摂るメニューを考えるのは大変ですよね。最近では、糖尿病の方でも安心して食べられる「糖質制限の宅配弁当」などを上手に利用して、調理の手間を減らすおうちも増えています。
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Tさんの長年の嗜好は変わらず、どうしても甘い饅頭やクッキー、インスタントラーメンなど好んでおられました

さらに2週間後の写真です。
キズの汚いところが少しなくなって、赤い肉みたいな部分が出てきました。
良い傾向です。
2週間に1度は、病院に受診しており、継続的にデブリードマンといって、汚い部分を削ってもらう処置をされていました。
この痛みは、声をあげてしまう程の痛みだとTさんは仰っていました。

さらに2週間後です。
白い部分は、良い皮膚ではないので、まだまだ油断ならない状態です。
このころには、日々の訪問看護師からのアドバイスもあり、食べ物にも意識できるようになってきていました。
饅頭や菓子パンやインスタントを減らし、卵・肉・魚などの動物性たんぱく質を多く摂取されていました。また炭水化物や糖質の食べ過ぎにも注意することができていました。
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毎日の消毒の効果と、血糖値を意識できたことによってキズ口が開くことなく、バイ菌も増えることなく

退院より3ヶ月後にはここまでキズ口は綺麗になりました。
ここまでくると、一安心です。
もちろん、血糖値が高くなるとすぐにバイ菌が集まってくることもあるので、引き続き食生活には注意が必要です。
創部完治に向けて
これ以降は、自分で消毒します、とのことで訪問看護の介入は終了となりました。
連絡はないので、おそらくキズは悪化することなく良くなったのだと思われます。
もし、キズが完治するまで入院が必要だったと考えた場合は、3ヶ月以上の入院期間が必要だったでしょう。
このように、訪問看護の介入によって、ご自宅で過ごせる時間が増え
さらに、日々のアドバイスなどによって症状を悪化させることなく過ごすことができます。
# まとめ:在宅での手術創ケアと血糖管理の大切さ
在宅でのケアに不安がある方は、訪問看護を上手に活用するのがおすすめです。
このブログでは日々の訪問看護の事例や具体的な内容を書いていますので、こちらの記事もぜひ合わせてご覧ください。

この記事を書いた人:mikakoro 現役の訪問看護師。病院での勤務を経て、現在は在宅ケアの現場で多くの患者様やご家族をサポートしています。これまでの経験を活かし、退院後の自宅療養やキズのケアに役立つリアルな情報を発信しています。


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